栄養メモ

動物性vs植物性タンパク質で筋肉の合成に効率的なのは? 

運動をよくしている人にとって、食事におけるタンパク質摂取は、筋肉増強において重要な要素の一つですよね。

ぼく自身も週2〜3回以上はジムに行って筋トレをしているのですが、

もっと健康的で効率的に筋肉をつけるにはどうしたらいいか考えると

日頃の食事でどれだけ筋合成に必要なタンパク質を摂れているかが大事になってきます。

ですが、タンパク質には、動物性と植物性の2種類があります。

そこで、「どっちを摂った方が筋肉が合成されやすい?」と思ってしまったので、

筋肉の合成を効率的行うにはどちらを摂取した方が良いのかしらべてみました。

さっそく結論からいってしまうと・・・

どちらも一緒に摂取するのがいちばん効率的で健康にもいいみたいです。

では、なぜ動物性と植物性タンパク質どちらも摂取することが筋肉の合成に効率的で健康にいいのか説明していきます。

それではいきましょー

動物性、植物性タンパク質それぞれの特徴(メリット・デメリット)

まず、それぞれのタンパク質の特徴をざっくり言うと

動物性タンパク質は、

肉、魚、卵、乳製品などの動物からの食物に含まれていて、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。

植物性タンパク質は、豆類、穀物、ナッツ、種子など、植物からの食物に含まれていて、一般的に動物性タンパク質よりも必須アミノ酸のバランスが悪いため、複数の植物性タンパク質を組み合わせて摂取する必要があります。

以下に、それぞれのメリット・デメリットを挙げますね

必須アミノ酸(ひっすアミノさん、Essential amino acidEAA)とは、タンパク質を構成するアミノ酸のうち、その動物の体内で充分な量を合成できず栄養分として摂取しなければならないアミノ酸のこと。必要アミノ酸不可欠アミノ酸とも言われる。一般に次の8種(トリプトファンロイシンリジンバリントレオニンフェニルアラニンメチオニンイソロイシン)ないしヒスチジンを追加した9種類が必須アミノ酸に含まれる。

Wikipedia

動物性タンパク質のメリット

Mariotti(文献3)によると、

生の穀物や豆類などの植物ベースのタンパク質源よりも、肉、卵、牛乳、およびその成分などの動物ベースのタンパク質源の方が、消化率やタンパク質利用率に優れている

とのことで、

植物性タンパク質に比べて動物性タンパク質にはロイシンが豊富なため(L)、筋合成に必要なアミノ酸を効率よく取り入れることができます。

なぜロイシンが豊富だと筋合成が効率的にできるのかは別の記事で解説します。

動物性タンパク質のデメリット

タンパク質補給を動物性タンパク質だけに頼ると健康上のリスク(糖尿病、心血管疾患)があります。(LL

ですが、すべての動物性タンパク質が健康上のリスクを上げるわけではないみたいです。

Malikら(文献2)は、食事による動物性タンパク質・植物性タンパク質の摂取量と2型糖尿病のリスクについて述べていて、

加工肉のタンパク質摂取は糖尿病のリスクが増加していますが、乳製品からのタンパク質摂取はリスクが低減しています。

また、植物性タンパク質にも、全粒穀物やマメ類、ピーナッツなどといったものと、精製された穀物やジャガイモなどのグリセミック(GI)指数食品といったものでは、後者の方が糖尿病のリスクが高いそうです。

グリセミック指数 (英: glycemic index) とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値。

グリセミック・インデックスまたはGI値とも表現される。

Wikipedia

植物性タンパク質のメリット

植物性タンパク質は、動物性タンパク質に比べてカロリーが低く。脂肪やコレステロールが少ないです。

Mariotti(文献3)によると、

動物性タンパク質と比較して、植物性タンパク質の摂取が心血管疾患のリスクを低減する』ことが、最近の主要なコホート研究で報告されていて、以下の結果が示されました。

  • 動物性タンパク質のエネルギー摂取量が10%増加 → 心血管疾患死亡率が8%増加
  • 植物性タンパク質のエネルギー摂取量が3%増加 → 心血管疾患リスクが12%減少

また、健康なライフスタイルを送る人々の中でも、この関係性が確認されました。

『動物性タンパク質の増加が心血管疾患死亡率の増加に関連していことが明らかになり、動物性タンパク質の摂取量を減らし、植物性タンパク質の摂取量を増やすことが重要である可能性がある』とされました。

植物性タンパク質のデメリット

Berrazaga(文献4)らによると、

動物ベースのタンパク質と比較して、植物ベースのタンパク質が骨格筋レベルでタンパク質合成を刺激し、筋肉量の増加を誘発する能力が低い

また、『植物ベースのタンパク質源の同化(筋合成)効果が低いのは、動物性タンパク質と比較して消化率が低く 、必須アミノ酸、特にロイシンの含有量が低い ことも一因である』とも述べられています。

植物性タンパク質だけで効率よくタンパク質を摂取することはむずかしそうですね。

動物性と植物性タンパク質混合にしていいとこ取りしよう

以上のことから、動物性タンパク質、植物性タンパク質それぞれにメリット・デメリットがあることがわかりますね。

動物性タンパク質

  • アミノ酸比率が良いので筋合成には最適
  • 摂取しすぎると糖尿病や心血管疾患のリスクが上がりそう(加工肉避ければいい

植物性タンパク質

  • アミノ酸比率が低いので、筋合成目的であれば複数の植物性タンパク質と組み合わせたほうがいい。
  • 摂取量が増えると糖尿病や心血管疾患のリスクが下がる(ただし、グリセミック(GI)指数食品は避ける)。

まとめると、

動物性と植物性どちらもまんべんなく摂った方が筋肉の合成には効率的だし、ついでに健康の維持や予防にもいいって感じでした。

ちなみに、ナッツと豆類の摂取と虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病のリスクについての系統的レビューとメタ分析(文献5)では、

ナッツ・マメ科植物の摂取→冠動脈疾患リスクの低下が示されました。

ナッツには、不飽和脂肪酸 (UFA)、食物繊維、葉酸、抗酸化物質とビタミン (ビタミン E とトコフェロール)、ミネラル (マグネシウムとカリウムなど)、植物化学物質 (フラボノイドなど) など、健康に役立つ多くの成分が含まれています。

ぼくは、プロテインはホエイを飲んでおり、食事も鶏や豚が多めと、動物性タンパク質が多かったです。

なので、大豆製品やその他豆類などを食事に加えて、間食としてミックスナッツを持ち歩いて、「小腹が空いた時につまんだりしようかな〜」とか思っています。

参考文献(Google翻訳で閲覧)

  1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6893549/ Liu J, Klebach M, Visser M, Hofman Z. Amino Acid Availability of a Dairy and Vegetable Protein Blend Compared to Single Casein, Whey, Soy, and Pea Proteins: A Double-Blind, Cross-Over Trial. Nutrients. 2019 Nov 1;11(11):2613. doi: 10.3390/nu11112613. PMID: 31683779; PMCID: PMC6893549. 単一のカゼイン、ホエー、大豆、およびエンドウ豆のタンパク質と比較した、乳製品および植物性タンパク質ブレンドのアミノ酸の利用可能性: 二重盲検クロスオーバー試験
  2. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4832052/ Malik VS, Li Y, Tobias DK, Pan A, Hu FB. Dietary Protein Intake and Risk of Type 2 Diabetes in US Men and Women. Am J Epidemiol. 2016 Apr 15;183(8):715-28. doi: 10.1093/aje/kwv268. Epub 2016 Mar 28. PMID: 27022032; PMCID: PMC4832052. 米国の男性と女性における食事性タンパク質摂取量と 2 型糖尿病のリスク
  3. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6855969/ Mariotti F. Animal and Plant Protein Sources and Cardiometabolic Health. Adv Nutr. 2019 Nov 1;10(Suppl_4):S351-S366. doi: 10.1093/advances/nmy110. PMID: 31728490; PMCID: PMC6855969. 動物および植物のタンパク質源と心臓代謝の健康
  4. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6723444/ Berrazaga I, Micard V, Gueugneau M, Walrand S. The Role of the Anabolic Properties of Plant- versus Animal-Based Protein Sources in Supporting Muscle Mass Maintenance: A Critical Review. Nutrients. 2019 Aug 7;11(8):1825. doi: 10.3390/nu11081825. PMID: 31394788; PMCID: PMC6723444. 筋肉量の維持をサポートする植物ベースと動物ベースのタンパク質源の同化特性の役割: 重要なレビュー
  5. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4144102/ Afshin A, Micha R, Khatibzadeh S, Mozaffarian D. Consumption of nuts and legumes and risk of incident ischemic heart disease, stroke, and diabetes: a systematic review and meta-analysis. Am J Clin Nutr. 2014 Jul;100(1):278-88. doi: 10.3945/ajcn.113.076901. Epub 2014 Jun 4. PMID: 24898241; PMCID: PMC4144102. ナッツと豆類の摂取と虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病のリスク:系統的レビューとメタ分析
  6. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9741334/ Ferrari L, Panaite SA, Bertazzo A, Visioli F. Animal- and Plant-Based Protein Sources: A Scoping Review of Human Health Outcomes and Environmental Impact. Nutrients. 2022 Dec 1;14(23):5115. doi: 10.3390/nu14235115. PMID: 36501146; PMCID: PMC9741334. 動物ベースおよび植物ベースのタンパク質源: 人間の健康への影響と環境への影響に関するスコーピング レビュー
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